旭岳七不思議 その三

夏の風物詩として始めた旭岳七不思議。
もうすっかり紅葉どころか雪も降りましたが、まだ3つめです。このままズルズル続けます。
★旭岳七不思議 その三、心霊体験

旭岳で働くPさんの体験談です。
カメラマンでもあるPさんは、ある夜中、姿見の池付近で写真を撮っていました。
するとざくざくと足音が近づいてきたのです。相手はヘッドランプもつけていません。
夜中に灯りも持たず近づいてくるのは、幽霊か不審者か、灯りがなくて困っている人です。あれだけ石がゴロゴロしてる暗闇の中、幽霊以外はたぶん転ぶでしょう。しかし止まることなくどんどん近づいてくる足音に、Pさんは怒鳴りつけたそうです。
すると足音はPさんの反対側へと移動しました。瞬間移動ができるんですね。そしてまた近づいてきます。この時点で、鼻の穴に指刺してめくってやりたい鬱陶しさです。
そしてその後、その何者かはPさんの家までついてきたそうです。ずっと重いような感じだった、とPさんはその時のことを語ります。
そんなPさんの家に、幽霊が見えてしまうTさんが来たことがありました。Tさんは終始オドオドしていて、その時は何も言いませんでしたが、あとで、「幽霊いたよ」と言ったそうです。
後日、Pさんはオリジナルお祓いを行い、幽霊を撲滅したそうです。
他にも昼夜問わない旭岳の心霊体験を土木作業員が取材したところ、数人の関係者がそのおぞましい体験を語ってくれました。

体験談1、ロープウェイの売店で立ち話しよったら、相手が何者かに突き飛ばされたかのように真横にどんってズレたんや…(Pさん)

※語調はイメージです。

体験談2、ロープウェイのトイレ前の窓におっさんが映っとったんやけど、振り向いたら誰もおらんかったんや…(Pさん)

体験談3、宿直中に金縛りにあって、何かケモノっぽいやつが体の上に乗ってきたんだぁ。なんか猫みたいなさぁ。(猫好きのTさん)

体験談4、夜中、写真撮ってたんやけど、ロープウェイの駅の方見たら窓に人影が見えたんや。宿直の〇〇まだ起きとんのかいな思てあとで〇〇に聞いたら、あの窓、人が立ってるような高さじゃないっすよ、て言われたねん!あとで見たらその通りやったわ!(Pさん)

体験談5、宿直中、宿直室ドアのすりガラスの向こうに、ちょいちょい黒い人影が見える。(Aさん、他数名)

体験談6、金縛りはしょっちゅう。(Aさん)

体験談7、うちに泊まったお客さん、うちのユーレイ連れて帰りよったわ!(宿経営のKさん)

こちらは国立公園の保護地域ですが、幽霊のお持ち帰りは自由です。
その他、ロープウェイ駅舎の椅子が勝手に動く音がする、閉めたはずの窓が開いている、等々数々の迷惑な所業。
旭岳土木作業員に幽霊が見えたら鼻の穴に指刺してめくってやりたいです。
幽霊話は夏の納涼風物詩ですが、最近の旭岳は、日中の姿見駅で5℃以下になることもあります。
すでに雪とガスによると思われる道迷い遭難があり、真夏でもあることですが、同じ大雪山系の緑岳では低温による死亡事故もありました。また、散策者が登山道に迷い込んで動けなくなったり、怪我で搬送されたり、といったことも最近頻発しています。旭岳土木作業員も、石の代わりに人を運んだりしています。
ぜひ、幽霊にならないように気をつけてください。鼻の穴に指刺してめくっちゃいますよ。
注)この話の真偽について、旭岳土木作業員は一切の責任を負いません。