間宮城、陥没か

現在話題再沸騰中の、間宮の城壁です。

間宮の城壁は数年前、大雪山・旭岳の北東にある間宮岳に建設されました。これは崩れた登山道の補修後の石垣ですが、あまりに周囲に不釣り合いなため、こう呼ばれています。

この間宮城が 今月の大雨で落城したらしいと聞いて、先日見に行ってきました。

城壁は意外と残っちゃってるみたいですね。

周辺は劇的に変わっていました。

崩れた斜面を見ると、大量の水を含んで一度は溶けた、ていう感じのモコモコなめらかな土。しかしそれが水とともに流れ去った様子もなく。

陥没したのでは?という話も聞いていたのですが、

陥没ですよね。やっぱり。

そびえ立つ土の壁で、もはや周りの景色も見えません。以前はせいぜい腰くらいまでだったはず。

植生がついた土がかたまりでごろごろ落ちています。植物かたまりパズルを組み立てたい衝動を抑えて、なぜこうなったのか考えてみました。

専門家ではないので正解はわからないですが、観察と考察と失敗の繰り返しが大事です。

大雨で土が緩み、内部の空洞が潰れて陥没。これが簡単そうです。

この場所に限らず、空洞はいろんなところにあるはずです。歩きながら、このすき間に胃カメラを差し込みたい!と思ったことが何回かあります。

付近にはこんな穴も。

しかしよくあるそういう陥没とはたぶん違うのが、凍土の存在です。

構造土で有名な間宮岳。構造土は周氷河地形の一つで、土の凍結と融解によってできます。

これは構造土の一つ、条線砂礫です。間宮城壁のすぐ近くにあります。だからきっと凍土もあるんでしょう(たぶん)。

大雨で凍土が融けて陥没という可能性があるかもしれませんね。

これはシベリアであった、凍土の巨大陥没です。

最長1km、最深86mにも及ぶそうです。

間宮が道に沿って崩れているように、規模は違いますが、これも谷のような皺に沿って崩れています。

凍土が融けると含まれていたガスが放出されて、そのガスの分もベッコリ陥没するようです。

考えるだけでは正解はわかりません。
答えのわからないクイズは楽しいね。


Asahidake Trail Keeper

旭岳土木作業員